CB750Fourのオイルタンク交換とクラッチ交換③

　前回、クラッチのセンターハブが使い物にならなくて、どうしたものかと思ったんですが、中古の部品を買ってきました。しかも、ミッションごと大人買いです。

　ギヤボックスの中身全てで、シフトフォークやシフトドラム周りもスプリングまでぜーんぶあります。今回の整備にはいらないものも多いですが、そこは大人買いです(笑)。実は他にちょっと理由があるんですけどね。

　で、とりあえず必要なのはクラッチセンターハブだけなのでクラッチを分解します。

　全体に綺麗で、ロックナットやワッシャが間違った組み方をされていることもなければ、クラッチ自体も昔の純正っぽい感じです。脱着痕らしいものも見当たらないし、一度も開けた事が無いクラッチだったんじゃないかな～？

　センターハブもこんな感じで綺麗です。

　十分使える状態です。

　そして、今回、中古のミッションごとクラッチを用意した理由はというと……

　この２つのスプラインワッシャなんです。これ、ワッシャの外形が全然違うんですが、部品としては同じ部品なんです。そして、サービスマニュアルに書いてあるのは右のスプラインワッシャで、左のオレ様のK4についていたものは、サービスマニュアルに記載がありません。
　最初、どう見てもオレ様のK4に違う部品がついているか、必要な部品が足りていないようにしか見えなくて、そのへんを確認する為にシャフトごと手に入れたくて中古のクラッチだけではなく、ミッションまで纏めて入手して分解してみたわけです。

　そして分かったことは、CBのクラッチバスケットの止め方には2種類あるということでした。もしかしたら、もっと種類あるのかも……

　右が今回入手した中古ミッションで、クラッチバスケットは大きい方のスプラインに入って、スプラインワッシャで止めるだけになっていました。なので、当然スプラインワッシャを外すだけで簡単にクラッチバスケットも取れました。
　対して左のオレ様のK4の方はクラッチバスケットをスプラインに入れたあと、サークリップでクラッチバスケットを固定するようになっていました。サークリップをかけるぶん、こちらの方がスプラインが長いです。そして、スプラインワッシャは長くなったスプラインの内側に収まるように外周が小さくなってました。
　これ、多分、オレ様のK4の方は対策品ですね。どちらのミッションもスプラインワッシャは何の抵抗もなくクルクル回る状態なので、スプラインが一致するとスプラインワッシャが抜けてきます。
　今回入手した中古ミッションでは、このスプラインワッシャが抜けるとクラッチバスケットも抜けてきます。対して、オレ様のK4はクラッチバスケットはサークリップで留められているのでスプラインワッシャがどうなろうがクラッチバスケットが抜けてくる事はありません。スプラインワッシャは、スペーサーとしてしか機能してません。
　基本的に、クラッチはロックナットとスプリングで締められているので、スプラインワッシャが抜けてくることは無いと思いますが、思わぬ事態でスプラインワッシャと一緒にクラッチバスケットが抜けてこられると困るので、そうならないようにオレ様のK4のようにサークリップでクラッチバスケットを止めるように対策したんじゃなかろうか？と思います。

　スプラインワッシャの謎が解けたので、続いてクラッチの組付けなんですが、ここもちょっと問題アリでした。

　　コイツが片減りしてました。赤で囲ってある方はスプラインとの段が無くなるまですり減っていて、青で囲ってある方はスプラインとの段がしっかり残ってました。これもジャダーの原因っぽいので、中古ミッションから部品を取って組み立てます。中古ミッションの方も結構減ってるものの、片減りはしてなかったんで、まだマシでしょう。

　あとは、オイル漬けにしたクラッチと、ワッシャとロックナットの向きを間違えないように組み上げて、プレッシャープレートを取り付ければ形になります。

　注意点は、センターハブは嚙み合わせがあって、90度毎に正しく噛む位置と噛まない位置があります。勘で取り付けると1/2の確率で正しく噛まない位置になってしまうので、ちゃんと確認して組みましょう。型番が書いてある位置を合わせて組めばズレません。
　あと、プレッシャープレートは見るからに弱そうで、4か所のネジは均等に締めないと割れそうです。実際この部分がよく割れるっていうのを聞くので、出来るだけ傾かないように均等にスプリングの力がかかるように占めた方がいいでしょう。