カワサキ ZRX1100整備

予備部品の整備~ZRX1100のフロントフォークOH~

 えーっと、ストックしている予備部品のZRX1100のフロントフォークをオーバーホールしました。ずっとコンテナ倉庫の中で寝かしてあったフロントフォークなんですが、オイルダダ洩れ状態で保管も気を遣うので、オーバーホールして何時でも使えるようにしておくことにしました。
 素人のオレ様がサービスマニュアルを見つつ、自己流解釈で適当にやってるオーバーホールなので、アテにはなりませんが、日記的な感じで、ね?

 そんな訳で、いきなり分解です。
 分解はトップキャップを外すところから始まります。

トップキャップを緩める

 本当はモンキーとか使うべきじゃないんですが、ちょうどいいサイズの工具が見当たらないのでモンキーで緩めます。サービスマニュアルでは車体についているうちに少し緩めとけと書いてありますが、そもそもそんなに強い力で締める部品でもないので、車体から外した状態でも簡単に緩められました。緩め切ってもスプリングの力で「びょーーん!」とか行ったりはしないのでガンガン緩めます。車のショックだと、スプリングコンプレッサーを使わないとエライ事になるけど、そういう心配はないです。

トップキャップのロックナットを外す

 トップキャップが外せると、インナーチューブだけを下げられるので、中のスプリングを少し押し下げてロックナットにスパナをかけます。このナットは、プリロードアジャスターに効いてロックしているので、プリロードアジャスターにスパナをかけてロックナットを緩めてトップキャップを外します。

トップキャップを外して取り出せるもの

 トップキャップを外すと、中身の色々が取れます。これらはオイルに浸かっている部品なので結構汚れていて、オイルを拭き取りながら汚れも綺麗にします。

スプリングの内側も綺麗にする

 スプリングの内側はこんな感じでウェス突っこんで拭きます。かなり汚れてます。

 フォーク本体の方は、こんな感じで逆さまにしてオイルを出して、中のロッドを動かして更にオイルを吐き出させておきます。ここでしっかりオイルを抜いておくと、後でアレスティングボルトを抜いた時にオイルまみれにならずに済みます。

アレスティングボルトを外す

 オイルが抜けたらインナーとアウターを分離させるべく、まずは、アレスティングボルトを抜きます。カッパーワッシャーが潰れる程度の39Nm位で締まっているのでちょっと固めです。
 中のシリンダーが共回りするので、中空の角材を使って抑えてますが、力のあるインパクトレンチでガンガン回しても取れます。角材の方が確実で手間もかかりません。ちなみに、角材のサイズは19ミリです。

シリンダーの汚れ

 抜いたシリンダーの先端です。すり減ったメタルのコーティングと水が入って乳化したオイルで凄い事になてます。綺麗に拭きあげてもシリンダーの中までは拭けないので、中の状態が気になります。

 あとは、ダストシールとオイルシールを止めているクリップを外してから、スライディングハンマーの要領でインナーをガンガン引っ張れば、そのうち抜けます。

分解終了

 抜けるとこんな感じです。わりと簡単な作りで、交換する部品はインナーの先端にあるアレコレです。
 アウターのシールが入る部分は、ゴミや錆でかなり汚れているので、ピックツールやドライバーなんかを使って、しっかり汚れを落とします。ここに汚れが残っていると、オイルシールがうまく入らなかったりクリップが装着できなかったりすると思います。

外したインナーチューブ

 インナーの先端に残ったメタルやオイルシールです。オイルシールはボロボロですが、この辺の変えられるものは全部新品に交換です。

メタル、ワッシャ、シールを交換する

 こんな感じで新品に交換です。新品のメタルの表面は、コーティングが効いていてツルツルです。
 これをアウターに戻すときは、インナーとアウターを横倒しの状態にして、インナーの中にシリンダーをセットした状態でそっとアウターの中に入れます。インナーが一番奥まで入ったらフォークを立てて角材で共回りを止めつつ下からアレスティングボルトでシリンダーを仮止めして、最後に指定トルクで締め込みました。

シールドライバーでオイルシールの圧入

 シリンダーをアレスティングボルトで固定しただけだと、まだオイルシールが嵌ってないので、シールドライバーを使って叩き込みます。オイルシールを直接叩くと痛みそうなので、古いオイルシールを間に入れて叩き込んでます。
 サイズの合うヒューム管みたいなのでもイケるらしいですが、やったことないので分かりません。
 オイルシールがしっかり入ったらクリップで留めてダストシールを取り付けます。

 あとは、オイルを定量入れてからスプリングやカラーなんかを戻してキャップをするだけなので割愛です。

 最後に、今回のビックリドッキリ大賞はコイツです。

オイルシールクリップの熟れの果て

 これ、配線を纏める時にねじって使うアレじゃないですよ?正体はオイルシールを止めていたクリップです。錆びて痩せてヘロヘロになってました。もうクリップとしての役目を果たしていない状態です。こんな状態になるもんなんだ~。

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