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ホンダ CB750Four K4整備

CBのスターターモーター整備

 どうもCBのスターターモーターのトルクが足りません。しかも、やたらと電気を食っているようで、ちょっとスターターモーターを回し過ぎるとすぐにバッテリーがヘタレます。こういう時って大概モーターのブラシの部分にカーボンが堆積しているんですよね。なので、スターターモーターを分解してブラシ周辺を掃除する事にしました。

 まずはスターターモーターを引っ張り出さないといけないんだけど、出来ればあんまり色んな部分を分解したくないものの、どうもカムチェーンテンショナーの位置が嫌な感じです。

 フタの部分は取れそうだけど、どう考えてもモーターを引っ張り出す時に当たりそうですが、やれる所までやってみましょう。

 まずは、カバーを外してモーターを固定しているネジを抜きます。

 こいつが、固着してて凄く硬かった。しかも、ちょっと奥まったところにあって普通のスパナじゃダメだし。幸い素人ガレージの工具箱には深い所に届くスパナがあったんで緩められたけど、普通のボックスでやるなら、チェーンテンショナーどころか燃料タンク外してキャブレターも外さないと届きそうにありません。

 ボルトが取れたらモーターを引っ張り出すものの、ここで確実にカムチェーンテンショナーが邪魔になって外すしかありませんでした。

 チェーンテンショナーを外せばモーターを引き上げる事ができます。

 ここまで持ち上げて気づいたんですが、スターターモーターに繋がっているプラス配線を外し忘れてました。写真は無いんですが、スターターモーターのプラス配線ってスターターモーターから外れなくなっていて、スターターリレーから配線を外してフロントスプロケットカバーも外して、ながーい配線をモーターと一緒に引き抜くようにします。メンドクセー。

 スターターモーターを引っ張り出せたら、ショックドライバーでネジを緩めて分解します。3発位ひっぱたいたら割と簡単に緩みました。

 開けてみると予想通り物凄いカーボンです。これを綺麗に掃除してやればトルク不足は解消する筈です。

 実は、カーボンっていうのは電気を通すんです。但しソコソコの抵抗があります。世の中にはカーボン抵抗なんていう抵抗器がある位メジャーな抵抗のある導体なんです。モーターにカーボンが溜まると、電気食ったりトルクが落ちたりするものなんです。なんでかというと……

 この部分、ブラシの当たる部分です。ここは銅で出来ていて、ブラシから電流を受け取ってモーターのコイルに電気を通すようになっています。
 この溝の部分にカーボンが詰まるのがモーターのトルク不足の原因です。前述通り、カーボンは抵抗はあるものの電気を通しちゃうんで、この溝の部分にカーボンが詰まると本来ブラシが当たっていない部分にも溝に詰まったカーボンが電気を流しちゃうんです。そうすると、本来働いちゃいけないコイルにも少し電流が流れて、その電磁石がモーターの回転抵抗になってしまうんです。しかも、その分余分に電気も食ってしまうんですね。
 オレ様のCBのスターターモーターもここにガッチリとカーボンが詰まっていたんで、カッターやピックツールを使ってガリガリやって綺麗にカーボンを落としてやりました。

 綺麗にカーボンを落としたら、元通り車体に戻して動作テストをすると、ちゃんとトルクは復活しました。今までは、冷間時だとトルク不足でスタータークラッチが滑る事があったけど、そんな事は全然無くなったし、エンジンがしっかり温まると重くてスターターが回りきらなかったのが普通にクランキング出来るようになりました。
 ただ、スターターモーターから外せないプラス配線が結構クタビレてきてたんで、そのうちスターターモーターごと交換だろうなぁ。配線って古くなるだけで抵抗になるのに、クタビレてるんじゃねぇ。

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