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カワサキ ZRX1200S整備

ZRX1200S オイル/エレメント交換

オレ様は主にオートバイ通勤で、通勤号として大活躍のZRX1200Sは結構距離が延びます。当然メンテナンスも欠かせないわけで、オイルとエレメントは5000キロに1回交換しています。正直、よほどヘンテコなマフラーでも入れてない限り、それほど難しい作業ではないので、いつも自分でやってます。
多分、自分でオイル交換をしているライダーは結構多いんじゃないかな?それに、これから自分でオイル交換したいというライダーもそれなりにいると思うので、簡単にオイル交換の方法を説明しておきます。

【最低必要な工具】
17ミリボックスレンチ
ラチェットハンドル
エクステンションバー(オイルエレメントボルトに届く程度の長さで十分)

たったこれだけなんで、安物の工具セットで十分イケます。

もちろん、車両の仕様や状態によってもう少し色々必要な場合もあります。以前使っていたアクラポビッチは、サイレンサーとセンターパイプを外す必要があったので、この他に15ミリのスパナと、スプリング脱着にスプリングフックか、しっかり力が掛かるプライヤーが必要でした。

オイル交換は、まずはオイルを抜くわけですが、殆どのオートバイ(車も)はオイルパンのドレンボルトを外してオイルを抜きます。
希に”ドライサンプ”なんて構造のエンジンを積んでる車体もあるけど、それには該当しません。W3とか……

マフラー側後ろからエンジン下を覗き込んだところ。
エキパイがスーパーコンバットなんで、雰囲気がノーマルとはちょっと違います。

これが、ZRX1200Sのオイルパン。同系統エンジンのGPZ900R以降、GPZ1000RX/ZX-10/ZZR1100/ZRX1100/ZRX1200R/ZRX1200DAEGあたりは大体みんなこんな感じです。
違う車種でも、大概エンジンの一番下に何も効いてないボルトが飛び出ていれば、それがドレンボルトでまず間違いないでしょう。
ドレンボルトを外すとオイルがドッパーっと出てくるので、オイル受けになるものを用意してからドレンボルトを外します。ZRX1200Sの場合3.6Lのエンジンオイルで3L程抜けてくるので、オレ様の場合、モノタロウの4.5Lの廃油処理ボックスでイキナリ受けちゃいますが、慣れてないと溢す可能性があります。不慣れなうちはバットで受けるか、6Lクラスの廃油処理ボックスを使うとオイルを受けやすいです。あと、同じ4.5L用でもエーモンの廃油処理ボックスは口が広くて効率よく廃油を吸ってくれるので扱いやすいです。

ボックスレンチかメガネレンチを使いましょう。
間違ってもU字スパナを使ってはダメです。ボルトの頭をナメます。

ドレンボルトは、たまにアホ程きつく締めてあることがあります。そんな時は、うまい事工具を延長して力をかけましょう。私は、ハンドルが延長できるラチェットハンドルを使っているからラクチンです。工具をかけて足で蹴るなんていうのも聞きますが、もしやるなら車体をしっかり固定してからでないとオートバイが倒れます。

こんな感じでタップリのオイルが出ます。
出来るだけ手を汚したくないので、ドレンボルトを外す時はビニール袋を手袋代わりに使ってます。

外したドレンボルトは、油をふき取ってから痛みがないか軽くチェックします。
よく見ると、ボルトに潰れたワッシャがついているハズです。何度も再利用されていると変形してボルトと一体化していることもあります。このワッシャは、ボルトを締めこむと潰れて変形することでオイルが漏れないように密着するようにできています。この手の変形して役目を果たすワッシャをクラッシュワッシャといい、素材は大概柔らかいアルミか銅です。
で、このクラッシュワッシャですが、一回使えば変形してしまうので通常毎回交換なんですが、私の経験ではドレンボルトのクラッシュワッシャは使い回してもオイル漏れにつながったことはありません。もちろん、変形が著しい場合は交換しますが、密着面がちゃんと出そうな状態であれば再利用しています。ちなみにこのワッシャ、数回使うだけで変形してボルトから抜けなくなりますが、そんな時はワッシャをバイスのようなもので掴んでボルトをレンチで回せば取れます。
などとやっているうちにエンジンオイルは殆ど抜けていると思うので、忘れないうちにドレンボルトはオイルパンに戻しておきましょう。締め付けトルクはメーカー指定もありますが、私は守ってません。クラッシュワッシャの状態にもよるので、ギュッと締まった所からもう1度ギュッと占めるみたいな適当な感じです。ちなみにZRX1200R/Sのメーカー指定は15Nmです。ボルトの大きさの割にはかなり弱めです。クラッシュワッシャのせいで絞め具合が分かりにくいというのもあるのかもしれないですが、本来そんなに強く締めるものではないし、締め過ぎてオイルパンのネジ山をナメちゃったなんて話しも時々聞きます。
※ナメたらヘリサートとかリコイルといった方法で補修ができます。

アルミのクラッシュワッシャがついてます。今回は交換しません。

次は、オイルエレメントを外します。オイルエレメントはエンジン下側の少し奥まった所にあります。

この真ん中のボルトを取り外すと、放射状のフィンがついたキャップが外れてくるんですが、よく見るとこのままではスーパーコンバットのエキパイに当たって真っすぐに取れないのが分かると思います。
これ、実はマフラーを社外品に交換しているとよくあることです。アクラポビッチのようなセンターパイプ取り外し型だと、この干渉する部分のパイプを外しての交換になるので問題ありません。ただ、スーパーコンバットのように干渉してしまう場合は、エレメントキャップの中心のボルトをキャップから抜いてしまうことで交換ができます。

見にくいですが、ドライバーで指している部分でキャップとボルトを分けで、先にボルトを抜きましょう。

オイルエレメントキャップの構成部品は、キャップ、チェックバルブ付きボルト、スプリング、ワッシャ、Oリング大、Oリング小、カップ、それに肝心のエレメントです。
金属部品は全て綺麗に拭きましょう。特に、エレメントに被るカップは黒い汚れがビッシリ付きます。一見綺麗にみえてもパーツクリーナー等を使って拭くとウェスが真黒くなるはずです。
Oリングは分かりにくいですが、それぞれボルトの根元とキャップについています。Oリングは、固くなったり傷ついたりしていなければどちらも再利用可能です。正直、滅多に交換しません。
Oリングよりよっぽど注意しないといけないのはワッシャで、よくエレメントにくっついていてそのまま間違って捨ててしまうことがあります。このワッシャはスプリングとエレメントの当たり部分に入る緩衝材で結構重要なわりに、失くしやすく無くても普通に組めてしまうので、失くしても気づきにくいです。中古車を購入した時は要注意です。

組み立て順序は、キャップにボルトを通して、ボルトにスプリング→ワッシャ→エレメント→カップの順です。

あとは、これをエンジンに取り付けましょう。Oリングは廃油でいいのでオイルを塗ってから組み付けるようにしないとOリングを痛めます。
センターパイプの取り外せるマフラーならこのままエンジンに取り付ければいいんですが、スーパーコンバットみたいにスペースの無いマフラーの場合は、これを具合のいい所まで分解してエンジンに組み付けてから最後にボルトを通して締めます。ちょっと面倒です。

あとは、オイルを規定量まで入れたら、最後にそこら中についたオイルを綺麗に拭きとって完成。

オレ様のZRX1200Sだと、オイル全量3.6Lに対して丁度3Lのオイルが入ります。600CC位オイル経路やオイル溜まりに残っているようですね。

さて、この手間を自分でやるか、オートバイ店にお金を払ってやってもらうか、それはあなた次第!

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