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だいたい断線表示灯スイッチ日常

ストップランプ断線表示灯スイッチを修理してみる

 えっとですね、最近、故障したストップランプ断線表示灯スイッチを頂きました。純正品の故障ポイントを調べる事で、「だいたい断線表示灯スイッチ」の故障対策に役立つので、正常品以外の故障品でも調べさせて頂けるのはとても有難いです。

 頂いたのはこんなのです。

 第一印象は、「あれ?白いゾ?」です。
 今まで見たことのある純正のストップランプ断線表示灯スイッチは、みんな黒い物でボロボロだったものの、これは灰色です。ゴムの質も違っててシリコン系なのか、加水分解が全然始まっていません。しかも作りも良くて、黒いタイプは成形が甘くて真ん中あたりが膨らんでるんですが、これはそんな事もありません。いわば、対策品とか後期品みたいな感じの上物です。

 これは……出来れば治したい!

 故障内容は、ブレーキ掛けようが掛けまいが、ストップランプの球が切れていようが切れていまいが、とにかくずーっと表示灯が点滅しっぱなしです。ということは、常に断線している+ブレーキをかけられた時の電圧が拾えてないということです。
 ストップランプ断線表示灯スイッチは、黒/緑白/黄の3本の配線で……
・黒 ……アース
・緑白……表示灯を通て来た12V
・黄 ……ストップランプの+配線
 なので、黄色の配線系が断線している可能性が高いです。確定するには、緑白と黄の配線間の抵抗を測ると解ります。正常だと大体4KΩとかの抵抗があります。これは、緑白から来てる電流をちょっとだけ使って黄に流して断線してないか検知する為です。
 今回は、この部分の抵抗を測ったら断線状態だったんで、黄線系統の何処かが断線しているので確定です。
 ちなみに、緑白系統が断線すると、ストップランプ断線表示灯が点滅しません。

 そんな訳で、まずは分解します。といっても灰色のゴムのケースにセメントを流し込んで作られているので、簡単には分解できません。チマチマいきます。

 こんな感じでゴムの外皮とセメントの間にピックツールを差し込んで少しずつ剥がしていきます。

 接着部分を全部剥がすとこんな感じでスポッと抜けます。

 次は、断線部分を探すためにセメントを削ります。

 まずは、荒っぽく棒ヤスリで削って黄色配線の根元を掘り当てます。
 ここで、黄色配線自体が切れてないかテスターで確認して、配線は切れてませんでした。
 ついでに、もう一回 緑白と黄の配線間の抵抗を確認しておくと……

 あれ?治ってる。
 すぐに自作のストップランプ断線表示灯スイッチのテスターに繋いでみると、全く問題無く動作。おや~?

 原因を探るべく、更にセメントを剥離していきます。夜店の型抜きみたいな感じでピックツールで地味にカリカリ削っていくんで中々大変です。
 そして、出てきた部分を、よ~~~~く観察すると

 赤い線を引いてある部分にうっすらとクラックっぽい跡がありました。半田が割れたようです。古い部品あるあるです。品質が悪いのか、古い半田って痩せるみたいで割れるんですよ。多分コレが原因ですね。
 ちなみに、割れているのは黄色の配線と抵抗の足を纏めて半田付けしているランドの部分です。

 コレが原因なら、半田を盛り直すだけです。

 こんな感じで、ついでに露出させた緑白のランドと抵抗の足部分も綺麗に半田を乗せ直しておきます。

 あと、カプラーも溶けて縮んでいたんで、それも新しいカプラーに交換っと。

 ここまで縮んじゃうとカプラーから端子を抜くにはカプラーを割るしかないです。配線を切りたくなかったんで頑張って割りました。

 新しいカプラーに交換して、本体とケースを接着剤でくっつけて完成です。

 こんな感じで出来るだけ再利用で治しました。カプラーだけ今時のロック付きカプラーです。純正と同じ矢崎総業のロック無しカプラーも手に入るんだけど、オレ様の好みが住友のロック付きカプラーなんです。だって、ロックあった方がいいじゃん。しかも素材もいいし。もちろん、互換があってオスメスのロック有り無しがチグハグでも使えます。

 ご提供下さった方、貴重な純正部品の中でも更に貴重な灰色タイプだと思うので(しかも上物!)、綺麗に治せたことだし、今度お返ししますね~。ピース!

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