カワサキ Z1100GP B2

Z1100GPのハンドルロックを治す

 先日入手したZ1100GPですが、オレ様が知っているZ1000J系のハンドルロックと違います。オレ様が知ってるZ1000J系のハンドルロックは、イグニッションキースイッチをLOCKの方向に回すと、キーシリンダーからピンが出てきてハンドルロックするものですが、先日手に入れたZ1100GPは、Z650B1ザッパーやW3のようにフレームネック部分に独立したハンドルロックキーが付いているタイプです。

 「まさか、フレームが違うのか?」と思って、フレーム番号と補強材の特徴なんかを確認すると間違いなくZ1100GP B2でした。後付け感も無いし、どういうことなんだろう?思いつつ色々調べてみると、どうも一部の車両でこういうタイプもあるらしいという所まではなんとなく分かりました。嘘か本当か分からないけど。

 さて、ハンドルロックの種類はオレ様的にどうでもいいんですが、実はこのハンドルロックが壊れてます。キーシリンダーが壊れているようでちゃんと使えません。というわけで、新しいハンドルロックキーシリンダーに交換することにしました。

 このタイプのキーシリンダーは現行でも幾つか種類があって、オレ様が知っているだけで3種類あります。

・27016-042
 250TRなんかに使われているハンドルロックで、一番安い。ヤフオクなんかでカワサキ旧車向け新品ハンドルロックAssyとして高値で売ってるのは大概コレ。

・27016-5131
 バルカンなんかに使われているもの。鍵のデザインがちょっとカッコイイけど、その分なのか少し高い。

・27016-5009
 どういう訳か一番高いけど、普通の鍵。鍵番号がZ5000番台というカワサキで一番よく使われている鍵。

 どれでもいいと言えばいいんだけど……、折角だからワンキーで全部の鍵穴が使えるようにしたいじゃないですか。Z1100GPの鍵番号はZ5000番台なので、27016-5009を用意してキーを組み替える事にします。

 普通のキーシリンダーの構造はシャッター状のピンがキーシリンダーに刺さって、こんな感じになってるんですが……

 ハンドルロックのキーシリンダーは、もっと強力な構造になっていて組み換えが結構大変です。が、頑張ってやってみよう。

 ハンドルロック自体はこんな感じで、一見ショボく見えます。

 これを分解します。

 この赤丸内のノックピンを抜くとキーシリンダーが抜けます。ノックピンを抜くには、ニッパーみたいなもので掴んでからグリグリやると抜けます。

 ノックピンが抜けるとキーシリンダーを簡単に引き抜けるんですが、引き抜くと中からかなり小さい部品がバラバラと落ちてくるんで、普通に作業すると確実に無くします。タオルみたいなものを敷いた箱の中で作業した方がいいです。
 そして、分解した中身はこんな感じ。

 マジで細かいです。ケース側とシリンダー側で似たような形のピンが沢山あるんですが、ケース側とシリンダー側で違う部品なのでマゼマゼしないようにしておいた方が後で楽です。

 これでもまだ全バラになって無くて、もう一か所分解する必要があります。

 この部分、真鍮の板がカシメられてるんですが、この真鍮板を外さないとケース側のピンがセットできないんで、赤丸のカシメを削って落として真鍮板を外します。

 ここにケース側のピンと、それを抑えるスプリングが入ります。ちょっと失敗して、カシメを削り過ぎました。

 次は、キーシリンダーにキーに合わせたピンをセットします。が!集中しすぎて写真撮るの忘れました。

 こういう1mm弱のピンを、キーをセットしたキーシリンダーに差し込んで、凸凹しないで収まる組み合わせを探ります。どうしてもピンが足りない時は、オレ様はストックの部品から適合するピンを拾い出して合わせました。1mm弱の太さの真鍮棒から切り出してもイケると思います。
 あと、それぞれの穴に長いピンを入れたか短いピンを入れたか覚えておかないとケース側のピンをセットする時に困ります。

 キーシリンダーに綺麗にピンが収まったらキーシリンダーをケースに戻すんですが、キー操作した時にキーが戻るリターンスプリングを忘れずに入れます。気を付けないと折角セットしたキーシリンダーのピンが抜けたりするんで、注意しながらケースに戻します。少量のグリースを塗っとくとピンが落ちにくくなって楽です。
 ケースにキーシリンダーを戻しても、手を放すとリターンスプリングの力で抜けちゃうんで、手で押さえたまま分解時に外したノックピンを戻します。なかなか刺さらないし、手は離せないしで、結構大変です。

 ここまできたらもう少し。あとはケース側のピンをセット出来ればいいだけです。
 こっちのピンは割と適当で大丈夫ですが、キーシリンダー側のピンが短かった部分は長いピンを、長かった部分は短いピンを入れ、最後にピンを押すスプリングをセットします。

 あとは、真鍮の蓋を戻してからカシメなおせば完成です。アルミのケースはかなり柔らかいんで、真鍮の蓋を押さえた状態でニッパーかなんかでアルミケースを挟んでやればカシメられます。

 車体に戻して動作確認をします。いい感じです。

 ヘルメットホルダーなんかのキーシリンダーと比べると、かなり大変で自力でやるのは全くオススメ出来ないです。たまたまオレ様は過去にこのタイプキーシリンダーを分解した経験があったんで出来たけど、初めての人はとりあえず1回は失敗するんじゃないかなぁ?それ位精密で細かい作業です。
 ネットで調べても、このタイプのハンドルロックを分解してる情報があんまりないのは、なんか納得です。でも、このキーがメインキーと同じキーで扱えるようになったのは、やっぱり嬉しいゾ!

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