もうかなりの距離を走り込んでる通勤号のZRX1200Sですが、ステムベアリングに段が出てきたようでハンドルが引っかかるようになってきました。直進の所でハンドルが引っかかるんで、微妙なハンドル操作が難しくて乗りにくくて仕方ないので、涼しくなってきたことだし交換します。
今まで普通のボールベアリングのステムベアリングは何度も分解組み立て経験があるけど、テーパーローラーベアリングのステムベアリング交換は初めての経験になるんで、一応調べるには調べたけど、どうも中々に大変な作業のようです。まぁ、何事も経験。やってみよう。
とりあえず、ジャッキで上げてフロント周りを分解しますか。
ここら辺までの分解はどうって事ないです。ササっと出来ちゃうし、特別な工具も技術も必要無いと思います。
トップブリッジを外します。当然、ここにはクラッチ、ブレーキ、アクセル、スイッチボックスなんかがくっついてるんで、ここら辺から面倒くさくなってきます。
正しくは、ぜーんぶ外していくんだろうけど、そんな面倒な事はとてもやってられないので、面倒なものは一切外さずに、ちょっとづつずらしてステムシャフトを出します。
ロックナットを外すと、普通ならステムが下にスコーン！と落ちるんですが、カワサキのステムは矢印の部分にOリングが入っていて落ちません。このOリングを外すと、ステムが下に抜け落ちます。これ、何気に良く出来てるなぁって思います。
ベアリングを確認してみます。ローラーベアリングの方は、一見何ともないです。ベアリングレースの方は、かなり打痕がついてます。指で触ると波打ってます。
さて、ここからが大変なんだよなぁ。
ベアリングを外します。先端が減って薄くなった貫通マイナスドライバーとタガネを使って少しづつ抜いていくんですが、ベアリングのローラーはすぐに砕け散ってベアリングのベースを叩く事になりました。
1時間近くかけてちょっとづつずらして外せたけど、次回はもうちょっと工夫した工具でも作ろう。これは、効率悪い上にステムシャフト側が傷だらけになります。
外れた～。ステムの傷がついたところは、ヤスリで修正しておきます。
グリスを詰め込んた新しいベアリングを圧入します。
グリスは、ベアリングの中の空気を押し出していく感じでベアリングの隙間に押し込んでいきます。最終的にベアリング内の空気が全部押し出せてグリスで満たされるみたいな感じになるようにします。
圧入自体は簡単で、古いベアリングレースを被せてから、単管パイプを上手に使って叩き込むだけです。
続いて、古いベアリングレースを抜きます。
ベアリングレースは写真のように安い治具が使えるんで簡単に抜けます。治具を入れて、反対側からブレーカーバーの柄でゴンゴンと叩けば上のレースも下のレースも簡単に抜けます。
ベアリングレースの打ち込みには、これを使います。
ホイールベアリング挿入でもいつも使ってるんですが、軽くベアリングを打ち込んだ後、コレで締め込んでいくとキッチリピッタリとベアリングを挿入できます。ベアリングレースも同様です。
こんな感じです。叩いて入れると、「音の変化」とか「叩いた感覚」とか抽象的な表現で打ち込み量を確認するハメになりますが、このねじ込む方法だと、「しっかり締める」だけでいいんで、確実かつ簡単にレースを入れられます。
ベアリングレースが入ったらステムを戻します。戻す前に、もう一回しっかりとグリスを詰め込んでから戻します。
上側のベアリングもグリースだらけにして戻してからロックナットで固定してトップブリッジを戻します。
ステムのロックナットの締め具合は人によって色々だと思うけど、オレ様はわりとしっかり締めて渋めにしてます。それでも実際に乗ると車重とセルフステアの力の方が全然強くて渋さは感じません。
最後、組み立てついでにブレーキパッドも交換しておきます。
古いブレーキパッドは、残り0.2mm位なんで、今回もキッチリ使い切りました。ブレーキパッドってどうしても斜めに減ったりするんで、時々減り方の様子をみて適切にローテーションしてやると綺麗に使い切れます。まぁ、オススメはしないです。
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