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カワサキ 650RS W3整備

W3のオイル漏れを何とかしたい(1) ~ヘリサートinヘリサート?~

 ZRX1100の作業がひと段落ついてきたので、走れないレベルのオイル漏れをしているW3を何とかしてみたいと思います。多分、「簡単にはいかないだろうなぁ」と予想していたんですが、予想的中でした。

 まず、オイル漏れの個所と原因なんですが、Wシリーズではよくあるロッカーケースとシリンダーヘッドの合わせ面からのオイル漏れです。原因は、ロッカーケースを止めている12本のうち、2本が完全に舐めてしまっているせいです。

ロッカーケースボルトの舐めた穴の位置

 エンジンを上から見て、赤丸の穴です。この位置ならヘッドを外さずに補修が出来そうです。
 この写真では、既にボルトを抜いているんですが、このボルトが変で……

舐めたボルト穴の部分は何故かスプリングワッシャが入っている

 どういう訳だか、舐めたボルト穴の所だけスプリングワッシャが入ってます。しかも、ボルトにかける工具のサイズが、左は13mmで右は12mmと、チグハグでした。幸いボルト自体は同じサイズだったので良かった。オーバーサイズでも使われてたら面倒な事になるので。

 ロッカーケースを固定しているボルトは、ロッカーケースの蓋の中にもあるので、ロッカーケースの蓋を外すんですが、なんちゅーか、凄い液体ガスケットの量。

ロッカーケースカバーの裏は、液体ガスケットで前の作業者の指紋が残っている

 内側には、液体ガスケットの指紋跡がビッシリ残ってます。前のオーナーさんは、こういった機械いじりが出来ない方だったので、きっと前の前のオーナーさんの指紋でしょうか?きっと、油漏れで苦労してたんでしょう。にしても……、塗りすぎ。

 ささっと、ボルトを外してロッカーケースを外します。

 こちらも全体に液体ガスケットの塗りすぎですが、汚れているだけで、そんなに悪そうには見えません。ただし、ヘッド側のネジ穴は全部ヘリサートが挿入されているようです。
 そして、肝心の舐めている穴は……

 アルミが崩れてヘリサートが抜けてきました。ヘリサートが抜けたのは、舐めてトルクが掛からない2か所だけだったので、2か所をエンザート加工すれば大丈夫そうです。

 エンザート加工するには、下穴分の肉が残っていないといけないので、穴のサイズを測っておきます。

ヘリサートが抜けたボルト穴のサイズチェック

 8mmのエンザートには、11mmの下穴なので、十分な肉が残ってます。ところが、深さを測ろうとしたところ……

ヘリサートが2重に入っている

 あれ?なんか奥の方にヘリサートがある……なんで?
 長いヘリサートが折れたのか、短いヘリサートを2本つなげて入れたのか?と思って8mmのボルトを入れてみたら、ガバガバです。そう、なんと、ヘリサートの内側にヘリサートを入れるという2重のヘリサート加工になってました。しかも、見ての通り、かなり深い所だけです。これ、なんの補修にもなってませんよね?というか、「え~?これ、オレ様が治すの?めんどくせー」です。てか、そもそも、これって治せるのか?
 とりあえず、ある程度の肉厚を残しつつ、この奥にあるヘリサートを抜かなきゃいけないんだけど、どうやって抜けばいいんだろう?いや、マジまいった。

~追記~

 2重ヘリサートじゃなかったです!よかった。
 ヘリサートだと思って、キリを突き刺して浮かせようとしたら、ネジ山が崩れて気が付きました。単に、穴に対してヘリサートが短すぎて、ヘリサート用に切ってあるネジ山がタップリ残ってただけみたいです。
 さて、エンザート入れるかな。

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