一部のマニアの関心事項、CB用AIセミトラ・イグナイターですが、暇さえあればセッセとテストをしています。
そもそも、AIセミトラ・イグナイターを最初に作った時の大きな目的に「節電」というのがあって、実はオレ様的には、これが凄く重要な案件だったりします。何せ、電気無くなったらオートバイ動きませんからね。
そして、CB用AIセミトラ・イグナイターでも、節電目標はちゃんと生きてますよ。
これ、デイトナかどっかの簡易電圧計で測ってる電圧です。
ノーマルのポイント点火のアイドリングで、LEDヘッドライトを付けた時の車両の電圧です。満充電のバッテリーですが、バッテリー電圧を大きく下回り、バッテリーの電気をジャンジャン消費しているところです。ICレギュレーターを使っているんで、全くのノーマルよりは少し高めの電圧を維持していますが、まぁ、普通こんなもんでしょう。
次にAIセミトラ・イグナイターに変更してみると、こうなります。
ノーマルのポイント点火から、AIセミトラ・イグナイターに変更した直後の電圧です。同じアイドリングでも、ノーマルのポイント点火と比べると明らかに電気食ってません。
更に、ひとっ走りして、充電されると……
LEDとはいえ、ヘッドライトをつけている状態のアイドリングでも、バッテリーの電気は殆ど食ってません。
LEDヘッドライトにしている上に、ICレギュレーターを使っているんで、フルノーマルのCBに比べると、オレ様のCBは、ずっと電気に余裕があるものの、AIセミトラ・イグナイターに変更すると、これだけの節電になります。
ちなみに、オシロスコープでこれを確認すると……
こんな感じです。
黄色いグラフがポイントの動きで、赤いグラフがコイルに流れている電気です。赤いグラフがかなり見にくいです……
ポイント点火だと、黄色いグラフが下がっている間が、コイルに電気を流す時間ですが、AIセミトラ・イグナイターが低回転で実際に電気を流している時間は、ずっと短くなります。
動画の17秒あたりの所が分かりやすいので説明すると……
黄色のB1からB2の区間は、ポイントがコンタクト(短絡)している時間で、ポイント点火だとこの間ずっと電気をコイルに流しまくります。
対して赤色のA1からA2の区間が、AIセミトラ・イグナイターが実際にコイルに電気を流している時間です。全然短いでしょ?これが節電になってます。もちろん、回転数を上げると、B1からB2の区間はどんどん短くなってくるので、この節電効果が期待できるのは低回転のみですが、回転数が上がれば発電機もちゃんと仕事するので、そもそも節電する必要が無いというわけです。
ちなみに、ちょっと面白いのは、グラフのB2の部分の角が少しだけ丸くなっているところです。これ、ポイントの所についているコンデンサーの影響なんです。
A2,B2はプラグに点火するタイミングなんですが、ポイントはB2のようにコンデンサーの影響で少し柔らかく電気をカットします。この方法で逆起電流によるポイントのリークを押えたり、プラグの火花が出ている時間を調整したりしているんですが、その分、火花は弱まったり安定しなかったりもします。対して、AIセミトラ・イグナイターは、イグナイター専用IGBTがその辺の微妙なコントロールを丸っと引き受けてくれるので、常に安定した火花が期待できるんです。
こんな感じで、節電は想定通り物凄くいい感じなんですが、「じゃ、乗り味は?」というと、これがまた良いんだか悪いんだか、かな~り微妙な事になってまして……。
今、超イジワルテストをしてて、わざと燃料をリッチにして、ノーマルのポイント点火だとカブる寸前位にしているんですが、ポイント点火だとマイルドに収まる所も、AIセミトラ・イグナイターだとガツンと点火出来ちゃうんで、ちょっと粗暴感みたいなのを感じる事があるんです。これを是とするか非とするか、これは乗る人の好みな感じなんですが、ちょっとどうしたものかなぁ。全体的には、ノーマル+少しメリハリがついたみたいな感じで悪くないんで、余計に悩ましいです。
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