おかげさまでソコソコ売れている「だいたいSM発信器」ですが、ヤフオクで頂いた質問の回答が少々長くなってしまうため、こちらで回答させていただきます。みなさん、お付き合いください。
質問内容は大きく分けて2点で、防水防塵や使用に関する耐久性と、純正品と違う素材の質感に関してと解釈したので、それぞれについてお答えします。
防水防塵や使用に関する耐久性について
振動が非常に大きく、また、設置場所もネック下と雨の攻撃を受けやすいW3での使用を目的としているので、出来る範囲の対策を取っています。
まず、内部基盤の固定ですが、純正は内部を樹脂で完全に固めていますが、本品では空洞としています。理由は樹脂で固める事によって振動が基盤全体にモロに伝わってしまうのと、質量が増える事で振動を受けやすくなってなってしまうことを避ける為です。空洞にすると部品の脱落の可能性が出ますが、脱落の可能性がある部品は接着の上、熱収縮チューブで固定してあり、脱落の可能性は極めて低くなっております。



どうでしょう?これ位ガッチリやってあると、振動で外れる事はまず無いかと思います。特に熱収縮チューブは、ワンサイズ小さいチューブを引き延ばしてから取りつけ、収縮させているので、密着力はかなりのものです。基盤の裏側にはチップ部品がついていますが、そちらはそもそも非常に小さくて軽い部品なので振動の影響は受けないと思いますが、それでも熱収縮チューブ内に収まっています。
防水と防塵については、ケースの方で工夫させて頂いております。
ケースは、ケース本体とキャップで構成されています。ケース本体の内側には数ミリの段が設けてあり、その段にキャップが乗るようにしてあります。そして、ケース本体とキャップは、溶着剤を使って段の部分を中心に完全に一体化するように溶着してあります。なので、分解しようにもキャップの部分だけ剥がすような分解はできません。ケースを壊さないと分解できません。
それでも、配線導入部分がどうしても隙間が空いてしまうので、さらに接着剤を盛るのですが、接着剤はケースとキャップ本体に出来るだけ密着面がある方が確実に防水効果が得られるのでキャップはケース本体に対して約1ミリ程下がった位置に来るようになっており、接着剤の防水防塵効果を十分に得られ、それでも出来るだけ見苦しくならないようにしています。ただ、そこまでやっても配線引き込み口にはピンホールが出来てしまう可能性はありますが、そこは表面張力で水は侵入できないだろうと見ています。



あとは、「実際使ってみてどれ位もつの?」というところですが、ブログの何処かでも語っている通り、リリースまでの開発期間が非常に短期で動作テストについては「ちょっと短い」とも感じています。ただ、内部で使っている部品に関しては過去にかなり実績のある部品ばかりで、誤った使用法をしなければ、そうそう故障は無いだろうとも思っています。また、ケースもPolymaker製のASAで耐油性や耐UV性があり、熱にもABS並みに強いので問題無いかと思います。
更にもう一つ、特にZ2に関してですが、Z2の場合、設置場所がシリンダーヘッドに近く、熱による攻撃も考えられます。プラスチック系素材の中でもASAはソコソコの耐熱特性を持っていて、100度を超える環境にならないと熱による影響を受けません。車のエンジンルームで使っても平気な素材なので、溶ける程になる事はまず無いと思います。
それよりも、実は内部の回路の方が熱に敏感です。例えば、マイコンの熱耐性は85度しかなく、85度あたりから演算エラーを起こし始めます。また、コンデンサーも温度には弱くオレ様が使っているコンデンサーの耐熱は105度です。純正のウォーナーにもコンデンサーが使われていますが、想像するに当時のコンデンサーの耐熱は多分80度前後だと思います。そこに容量いっぱいいっぱいの電圧をかけると発熱します。更にエンジンの熱が加わるとコンデンサーがパンクすることでしょう。
そこで、オレ様の場合、振動対策と同時に内部を空洞化しています。純正のように中までミッチリ何かを詰めるということは、熱伝導します。特にアルミケースでは熱を拾いやすく、中の樹脂を通して熱が部品全体に行き渡ってしまうでしょう。対して空洞化した中空構造の場合、熱の伝達は空気しかありません。空気は断熱性に優れているので、外部の熱が基盤に伝わるのを阻害してくれます。また、プラスチック系素材のケースなのでそもそもアルミよりも遥かに熱伝導率が低く、総合的に判断すると熱には強いと思っています。
以上のことから、オレ様的には「だいたいSM発信器」の耐久性はリリースするには、まぁ十分なものになっているだろうと考えています。
純正品と違う素材の質感について
これは、もう本当にどうしようもなく、毎日ヨメ様まで加わって散々悩みました。ただ一つ、これだけは間違いないと言えることが分かりました。「アルミで作って無い以上、必ず不満は出る」です。
もちろん、アルミで作る道も模索しました。削りだすか?ハンド油圧プレスで押し出すか?板丸めて溶接するか?色々考えるには考えたんですが、あの形の成型方法が唯一なんです。アルミのプレス加工で、しかも水圧プレスという絞り加工の一種しかありません。これは、大型の水圧プレス機に専用の金型を用意しないといけません。しかも最低ロット数は数千個になると思います。こんなもん、現実離れし過ぎで造れません。
そうなると、結局加工が簡単で少量でも量産が出来るプラスチック系素材になるんですが、これをアルミに似せたところで所詮偽物なんです。ヤフオクで「ステンレスシルバー スーパーハードタフ スプレー」という案を頂きましたが、これも多分人によっては「ステンレスフィニッシュのガンコートじゃ、アルミの質感と違う」とか、「アルミ独特のヤレや風合いが出ないじゃないか」とか思ったりしてしまう訳です。しかも、その加工分の値段が上がってしまうのに……です。
そして、オレ様は考えるのが疲れて、「もうどうにでもなーれ」ということで、表面加工無しにしました。もう、本当に表面は、どうぞ、お好きなように購入された方で加工してください。多少こすったりペーパーで磨いた程度では壊れません。ケースの肉厚は一番薄い所でも2ミリあります。購入された方が一番納得のいく形にして頂くのがみんな幸せになれる気がします。
最後に
と、まぁ、オレ様が個人で、本当に設計から製造組立、そして梱包して発送するまで、全部一人でやってます。(発送は時々ヨメ様にお願いしていますが)
結局、オレ様一人でやっていることなので、実際の所、完成物に何が起こるか分かったものじゃありませんし、その程度が個人が作る物のクオリティーだとも思います。なので、不具合に関しては、もし発生してしまったら、「温かい目で見てくれないかな~」と思っています。
このブログで紹介しているモノ全て、販売しているものも含めてオレ様の趣味です。まともな利益を期待しているものは一つもありませんし、今後もその方針は変わりません。これは、オレ様が本業で十分生活出来る収入があり、このブログで紹介しているもので生活に関わる収益を上げる必要が無いからです。逆に言うと、こういった「モノ作り」で生計を立てておられる方の市場を荒らしたくありません。なので、多くの人が見向きもしないようなモノで、専業の業者さんも相手にしないようなニッチな部分のみを、オレ様の趣味レベルでやっつけてみようというものです。
そして、その程度のものだとご理解いただけると幸いですし、みんなが幸せになれると思います。
コメント一覧
Can you supply the Z2 speed warning switch to the U.K. what is the cost?
thank you,
Mr Guy Phillips.
Thank you for your inquiry.
Sorry, can not international shipping.